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MJ「CHAGE&ASKAは現代の演歌なのか?!」を振り返る 3/3

 

前々回、前回の記事を読んでいない方は
まずはそちらの記事をご覧下さい

MJ「CHAGE&ASKAは現代の演歌なのか?!」を振り返る 1/3
MJ「CHAGE&ASKAは現代の演歌なのか?!」を振り返る 2/3

 

90年代の音楽情報番組
『MJ -MUSIC JARNAL-』において、
「チャゲアスは現代の演歌なのではないだろうか」と
断定されてしまう問題が発生しました

 

さて、CHAGE&ASKAは
本当に“現代の演歌”なのでしょうか
そしてこの番組で放送された検証の内容は
正しかったのでしょうか

 

検証の整合性

 

チャゲアスは現代の演歌なのか、
という議題の詳しい検証の内容は
前回、前々回の記事を参照して頂くとして、

 

その検証ではどのように
“チャゲアスを演歌である”
決定付けようとしているか、
その流れを見て取ることができます

 

まず初めに、CAの二人がファンにとって
近しい存在であることをほのめかし、
次に日本のポピュラーソングの根底に
あるものが日本的要素、演歌的要素であり、
ゆえに“チャゲアスは演歌である”
説いているのです

 

一見すると無理やりな算段で
チャゲアスと演歌を結び付けているようですが、
実はこの検証のターゲットが
チャゲアスではない他の代表的な
日本のミュージシャンであっても、

 

そのミュージシャンの音楽が演歌である、と
思わされてしまう悪魔の検証方法を
用いているのです

 

どういうことかというと、
特定のミュージシャンの限られたことに対して
説明するのではなく、
日本のどの歌謡曲にもあてはまることでのみ
説明をすることで、

 

ターゲットにされたチャゲアスが、
あたかも彼らの音楽を演歌なのだと
視聴者に錯覚させているのです

 

親しみがあることは、側にあること

 

チャゲアスは演歌である、とは
上記した解釈を用いれば
日本の歌謡曲やポップスは演歌である、
と言い換えることができますが、

 

音楽のジャンルとして考えるならば
演歌は演歌以外のなにものでもなく、
ポップスはもちろんポップスですよね

 

もっと細かく言ってしまえば
聴く人によってこの曲はロックだポップスだ、
と捉え方も変わってしまい、
ジャンルなんて気にする必要がない、
とすら思ってしまいます

 

そこまで行ってしまうと
加山雄三の「良いものは良い」という
一言が、それこそが音楽の真理であり、
結論になります

 

そうでなくても
ポップスを取り上げて演歌である、
というのは余りに乱暴な結び付け方なのは
一目瞭然ですよね

 

しかし、それを結び付ける材料は
この検証方法の中にちゃんと存在しているのです
その材料の手始めが“親近感”です

 

特定のミュージシャンのファン、
この場合ではチャゲアスのファンは
当然ながらCHAGEとASKAという遠い存在に
夢中にはなれてもお近づきにはなれません

 

そんな存在を他の有名人の一言で
一気に身近な存在へと引き寄せています
藤田朋子の一言である
「どこにでもいる兄のような存在」「親近感」とは
よく言ったものです

 

これは一体どういうことかというと、
次の“楽曲の根底にある日本的、演歌的要素”へと
結び付けるための重要な要素を表しています

 

親近感を持たせるためには、
音楽に対しても親近感を感じさせなければなりません
そのためには“楽曲の根底にある日本的、演歌的要素”
必要になってくるのです

 

つまり、日本人が最も慣れ親しんでいる
音楽のリズムは演歌にある、ということなのです

 

これは、世代によって当てはまらないこともありますが、
90年代にチャゲアスをリアルタイムで
聴いていた世代にとっては、
恐らく演歌は身近な場所で耳にしていると思います

 

それは、自分の両親や祖父母の
好んで聴いている音楽なのではないでしょうか

 

そうでなくても、日本人の心の奥底には
きっと民謡や盆踊りやそこから生まれた
演歌のリズムが刻み込まれていると思います

 

いや、心ならずとも
肉体が、もっとミクロの世界から覗けば
DNAに刻み込まれていると思うのです

 

そんな風に諭されてしまえば、
日本のポップスの源流が演歌であると
結び付けてもおかしな話ではない、と
感じるのも不思議ではありません

 

“演歌”≠“現代の演歌”

 

この番組の検証では、
「チャゲアスは現代の演歌なのか」から
いつしか「チャゲアスは演歌なのか」という
異なるものへとすり替えられていたような気がします
その最たる例が“ENKA SAY YES”です

 

「SAY YES」を演歌にしても
全く違和感がない、ということを明らかにして
チャゲアスの“見えない演歌の部分”を
引き出そうとしているのですが、
はっきり言って微妙でした(笑)

 

そもそも、“演歌である”と
“現代の演歌である”というのは
似ているようで異なる表現だと感じます

 

演歌を好んで聴く世代は、
上でも書いたように自分の親もしくは
祖父母の世代が多く、

 

彼らにとっては
若い世代の人たちが聴くポップスやロックに
相当する音楽なのです

 

“現代の演歌”という言い回しは
まさにそのことを言っていて
ポップスを好んで聴く世代が
虜になる音楽を指していると
捉えることができるのではないでしょうか

 

この番組が放映されていた当時は
チャゲアス全盛期でした
ゆえに、日本のポップスを好んで聴く人たちの
大半が聴いているであろうチャゲアスの楽曲は、

 

年配の人たちが好んで聴く演歌のごとく
若い世代に多く受け入れられたはずです
そのことを“演歌”というワードを用いて
比喩的に表現するとすれば、
“CHAGE&ASKAは現代の演歌である”に
なることも必然でしょう

 

そのように考えればとても面白く
興味深い検証であったはずなんですが、
日本のどの歌謡曲にも当てはまる
著名な方々のコメントだけならまだしも

 

「SAY YES」を演歌アレンジして
残念な仕上がりになってしまった“ENKA SAY YES”を
曝け出してしまったのが
この検証の面白さを台無しにしてしまったように
思うのです

 


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コメント

  1. みずき より:

    こんばんは!
    ちょいちょいコメントをしつつあるモノです(^^ゞ
    この番組…リアルタイムで見ましたよ。
    内容は覚えてませんでしたが「はぁっ?」と思った記憶だけあります。
    録画していましたが、イラッとなったのでそれ以来見返してもないです。
    動画サイトにアップされているのを見ましたが…
    当時と同じように「はぁっ?」となりそうなので、見ないでしょう(笑)
    でもダイマツさんの解説で、気持ちがいくらか浄化されました。
    ありがとうございます(>_<)
    てか、チャゲアスは何だってこなせるんだからね~だ(笑)

    • ダイマツ より:

      みずきさん>

      ちょいちょいコメントしつつあるみずきさん、
      毎度ありがとうございます!

      僕もリアルタイムで見ましたよー
      見たことは覚えてましたが
      詳しい内容はうろ覚えだったんですよね

      そうこうしてるうちに
      動画がアップされてまして、
      そちらを見ながら記事にした次第です

      当時この番組を見た時の気持ちは
      個人的にはすげームカついた訳ではありませんでしたが、
      気分は良くなかったような気がします

      今見てみると、腹が立つというより
      内容が稚拙すぎて逆に笑っちゃうレベルの
      ものになってますね^^

      というかですね、
      演歌とかってなかなか聴くのが
      難しいジャンルの音楽ですが、

      日本の音楽のメロディライン、
      特に昭和時代の古いものに
      嗜好が傾いたら
      演歌にもぜひ耳を傾けてみて下さい

      良さを理解すると
      自分が日本人で良かったなぁ、と
      思えるような音楽ですから^^


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