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クルミを割れた日/CHAGE&ASKA

 


 

【収録作品】

■アルバム
TREE
・STAMP
・THE STORY of BALLAD II

 
 
 

補足情報

 

●1991/10/10:発売のアルバム『TREE』に収録

●作詞・作曲:ASKA、編曲:十川ともじ
※作詞・作曲:ASKA、編曲:ASKA with Elder Street Boys(アルバム『STAMP』)

 

レビュー

 

「クルミを割れた日」
=「クルミを“割ることのできた”日」
子供から大人へと成長する過程で、
たくさんの“できた”を
経験していきますよね

 

補助輪なしで自転車に乗れた、とか、
リコーダーを上手く弾くことができた、とか
そうした子供の頃の“できた”喜びを、
自分の親と共に称え合いながら
人が成長していく過程を表現した曲です

 

ゆらゆら、ふわふわとした雰囲気の冒頭、
歌い出しから、サビの重厚な
コーラスワークへの転換は、

 

子供の頃の“できた”という
経験を思い出の中から探し出し、
今の自分はその経験を
積み重ねて成長した、

 

そんな表現を可能に
しているように聴こえ、
この曲のテーマを一人の人間の
ドラマとして見せられている
感覚になります

 

人間一人を取り出してみれば
小さなテーマでも、

その一人の成長を
過去から紐解いていけば、

壮大なテーマにも成り得るこの曲は、
聴いていて本当に心地よいですね

 

途中、不思議な和音構成で
出口の見えないトンネルの中を
進んでいくような間奏もあり、

 

上手くいかないこともまた人生、
しかし出口が見えれば
喜びも沢山溢れてくるんだよ、
と教えられているような気になります

 

こんなに良い曲でありながら、

ASKAはアルバム『STAMP』で
セルフカバーするまでの約10年間、

封印するつもりでライブでも
一切歌わなかった、といいます

それは何故か?

 

ASKA「コードひとつ、ふたつがメロディを
殺してしまっているところがある」

何ですと!?

ASKA「自分の中ではどこか
完成していない印象があって」

すごく良い曲だし、
全然問題ないと思いますが…

ASKA「そのうち、この曲の
不完全な箇所が分かったんです」

おお!

ASKA「そこを直してライブで
披露するってことも考えたんだけど、
お客さんが家でCDを聴きなおして、

ライブのほうがいいっていう印象を
もたれるのも明らかに複雑(笑)」

なるほど…ミュージシャンとしての
こだわりが見て取れますし、
気持ちも分かります

 

そして、ASKAは『STAMP』の
レコーディングにおいて
このことを思い出し、

 

絶対にやり直さなければ、
という想いで当初は収録予定ではなかった
「クルミを割れた日」の
セルフカバーバージョンを
収録するに至りました

 

この音楽一つ、楽曲一つに
対する考え方、素晴らし過ぎる!
これで不完全だった

(どこが不完全なのか
リスナーには分かりませんが)

「クルミを割れた日」も、
この世に生まれた喜びに
包まれていることと思います

 

さて、その『STAMP』バージョンですが
TREE』に収録されたものとは
明らかに雰囲気が違います

 

いや、雰囲気そのものは
うまく踏襲されていますが、

曲全体のアレンジは
アコースティック感を
全面に押し出し、

よりノスタルジックな
感覚を呼び起こされます

 

重厚なコーラスワークもより洗練され、
もしかしたらサビに
不完全な箇所があったのかな?
と思うほど、一つ一つの
コーラスパートが綺麗に耳を打ちます

 

出口の見えないトンネルを
手探りで進むような間奏も、

その和音構成の不思議さ加減は
多少緩和されているような気もしまして、

成長したことへの喜びの度合いが
全体的に高まっているように感じます

 

曲の後半でリズムが乗ってくる箇所も
『TREE』と『STAMP』では違っていて、
そうした変化も注意して聴くと面白いです

 


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